4つのCがダイアモンドの品質基準

ダイアモンドの4C

ダイアモンドの価値は大きさだけでは決まりません。 その価値を決める4つのCは以下の評価基準から成りたっています。

Cut - カット
理想のプロポーションに近づくほど最高の輝きを引き出す
Clarity - クラリティ
不純物が少ないほどいっそう透明になる
Color - カラー
どれだけ無色に近いかを表わす
Carat - カラット
宝石の重さの単位
(1カラットは0.2グラム)

全世界で産出されているダイアモンドのうち宝飾品用は全体のわずか25%のみで残りは工業用となります。 そして宝飾品用のダイアモンドの中でも宝石として価値の高い物はごくわずかしかないのです。

カット

ダイアモンドの美しさは、その輝きにあるのでそれを左右するカットが一番重要です。カットとは、プロポーションとフィニッシュの総合的評価のことで、GIA (米国宝石学協会) の基準により減点法で5段階で表示されます。

[ Excellent < Very Good < Good < Fair < Poor ]

パヴィリオンの深さは浅すぎても深すぎても光の反射効率が悪くなり、テーブルやクラウンの一部に暗く見える部分ができ、輝きが減少してしまいます。パヴィリオンの深さはダイアモンドの直径に対して43%が最も良いとされていますが、41%~45%位の範囲であれば適当であると考えられています。

クラリティ

天然のダイアモンドは、天然であるがゆえにわずかな不純物を含んでおり、完全に透明な石はほとんどありません。その透明度が高くキズや内包物が少なくなる程、価値が高くなります。標準グレードとしてIクラスからSIクラス、VSクラス、VVSクラスへとクラリティ(透明度) が上がり、専門の機関や熟練者が観察してもほぼキズや内包物が認められないものをFL/IF (フローレス/インターナリーフローレス) としています。婚約指輪としてはVSクラスまでのランクが中心ですが、肉眼で見て内包物が判らない/目立たない綺麗な石もあります。

カラー

ほとんどのダイアモンドは、石自体が黄色味を帯びていますが、無色透明に近い程価値があります。ZカラーからDカラーへとカラーグレードは高くなり、Dカラーが最高のカラー (無色透明) となります。また、Dカラーのダイアモンドはわずかに青味がかった無色透明ですが、Zカラーにもなるとかなり黄味の強い色合いとなります。これはいわゆる「イエローダイアモンド」ではなく「黄ばんだ」色であり、商品価値としてはかなり低い物となります。そのため婚約指輪として扱われているのは、最高品質のD~Fが中心となります。

カラット

カラットと言えば大きさの事だと思われがちですが、本来カラットとは重さの単位で、その語源は宝石の重さを計る秤の「おもり」に使った、カロブという木の種 (いなご豆) から由来しています。その種が一粒約0.2グラムであったことから、1カラットは0.2グラムとされ、これがさらに100ポイントに分けられています。つまり30ポイントのダイアモンドは0.3カラットにあたります。もちろん、透明度・カラー・カットといったダイアモンドの質が高く、そして大きく重いものほど稀少ですから、よりその価値が高くなります。
(上図は理想的なラウンド・ブリリアント・カットの場合のおおよその値)

ダイアモンドの語源

ギリシャ語のアダマス(征服しがたい)に由来するダイアモンドの名は、万物最高の硬さを物語ると共に、和名の金剛石の名も仏典に由来し「金剛不壊」と言って、何事にも侵されない硬さを意味しています。

ダイアモンドの産出

主な産地は南アフリカ共和国・ロシア連邦・コンゴ民主共和国・ガーナ共和国・ナミビア・オーストラリア・カナダなど。ダイアモンドの母岩はキンバリー鉱(ブルーグラウンド)と呼ばれ、母岩からのダイアモンド原石の収率は、ほぼ1500万~2000万分の1と言われます。100トンの採掘母岩から平均28カラットの原石が得られ、更にその原石中10%~25%程度しか宝石用とはならないのです。

ダイアモンドの輝きの秘密

ダイアモンドの輝きは4つの光が織りなす美しさです。

ブリリアンシー

ダイアモンドを真正面から見た時、外部・内部のファセットから反射されて見える白色の光。(主にテーブル面からの反射)

ファイアー

ダイアモンドに入射した白色光が、ダイアモンド内部で屈折・反射を繰り返し、白色光を構成する各々のスペクトルに分解され虹色を示します。(主にクラウン部のファセットから光を発する)

シンチレーション

ダイアモンド、観察者のいずれかが動いた時に、パビリオン部の細かなファセットにより、チカチカと光る閃光・フラッシュ効果をシンチレーションといいます。

ラスター

研摩された表面からつややかに反射する光で、鋭い光沢があります。

万物最高の硬さを持つ
ダイアモンド

ダイアモンドは、構成される炭素原子の原子間の結合が共有結合という強固な結びつきをしているため、自然の中で万物最高の硬さを誇ります。 石の耐久性を表す モース硬度 と呼ばれる測定法が、1812年ドイツの鉱物学者フリードリヒ・モースにより発案されました。それは天然鉱物の中から10種類を選び、硬さにより1番から10番までの番号をつけたものです。ただしこのモース硬度とは、ある一定のものによる「ひっかき」に対しての強さであり、「叩いて壊れるかどうか」の測定法ではないので注意すべき点ではある。(いかに最高硬度のダイアモンドであってもハンマーで叩いただけで壊れることがあります)